ミラノ(5月24日)
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広場の角々にはていねいな標識が


広場からは何本もの道が延び、地域を結ぶ

ミラノのドーモ屋上で
 今日からイタリアだ。まず、ミラノからスタートする。昨日までの環境問題からテーマを移して、今日からは都市景観と市民意識などについての視察である。
 
広場と生活
 広場を抜きにしてイタリアは語れない、と言われる。日本の場合、「目抜き通り」という表現があるように、主要な施設や建物は道路沿いに配置されている。また祭りなどの文化も、道を練り歩くという形で、広場とはあまり縁がない。イタリアはすべてが、広場に集約をされているようだ。ルネッサンス運動が、都市そのものを芸術の対象としたという意味が分かるような気がする。
 例えばミラノ市中心部にある広場。行政の中心をなす市庁舎、経済の象徴である銀行、文化芸術の舞台となる劇場、市民の消費生活を支えるショッピング街、そして生活の一部となっているカフェ、これらが一つの広場の周りに配置されていて、そこからは七つも八つもの道が放射状に延びている。
 石の文化ということもあり、街をつくりあげている一つひとつに歴史を感じ取ることが出来る。これらを、そのまま北海道の街づくりにあてはめることは不可能だし、意味もないだろう。しかし、大量消費生活の中で、次々と新しいものをつくりあげ、しかも無秩序に近い形でそれらを進めてきた結果、日本古来の伝統的なものが失われてきた感のある我々の街を、もう一度見直すよい機会であった。
 
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