■第十日 2003/8/25〜26 コペンハーゲン(デンマーク)、そして帰国 |
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●行程 |
コペンハーゲン | 15:45発 SK983 | |
成田 羽田 千歳 |
09:35着(26日) 13:00発 NH63 14:30着 |
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事情調査内容 | デンマーク財務省を訪問(午前) 担当者 カーレ・バーセルグ氏(チーフコンサルタント) ●EU統合及び架橋完成後の経済状況変化と、今後の課題について 午後から帰国へ |
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宿泊ホテル | 機中泊 |
●最終日、初心をつらぬいて |
ところが団長の鰹谷氏が、「議員の海外視察に関する取り決めが変わってはじめての視察なのだから、我々こそが今後のモデルにならなければならない。午後の帰国であれば、午前中は仕事をするのは当然」と主張。EU経済事情調査のため、デンマーク財務省を公式訪問することとなった。 (写真は、財務省玄関前で最後の日程をこなす前に) |
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財務省の建物はなかなか由緒あるもので、中庭もヨーロッパの庭園を想わせる。そんなのどかな風景とは趣を異にして、質疑が続いた。 (写真は、財務省の中庭。落ち着いた風情がある) |
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●EU統合がもたらした流通の変化 |
さらに、デンマークとスウェーデンを陸続きにした海峡大橋の開通は、現地の流通事情に大きな影響をもたらした。 私たちの視察目的は、その実態を学ぶことだ。そのためにもEU統合にかけた国の思いを知ることは重要である。 (写真は、レクチャーをしてくれたカーレ・バーセルグさん) |
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●EUの歴史的拡大を確認した、コペンハーゲン理事会 |
そもそも、EU構想とはどのようなものなのだろうか。 二つの世界大戦は、欧州を戦場として数え切れない犠牲者をだした。それぞれの国は、このことを教訓として、「二度とヨーロッパを戦場にしない」ために、将来の政治的統一をめざす欧州連合構想をスタートさせ、市場統合など着実な成果をあげてきている。 (写真は、第一次世界大戦の犠牲者を慰霊するイカリ前) 前身である欧州共同体は6つの国からスタートしたが、4次の拡大を通じて、今では加盟国は15になった。 |
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その場で、ポーランド、ハンガリー、チェコ、スロベニア、スロバキア、エストニア、リトアニア、ラトビア、キプロス、マルタの中・東欧10ヶ国のEU加盟が確認され、デンマークは議長国としての役割を世界にアピールしたのである。 (北欧はどこの国にいっても会議中の飲み物はすべてセルフサービス。写真にもコーラや水、紙コップが写っている) |
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●EU拡大がもたらす経済効果、そして今後の課題 |
しかも特徴的なのは、あらたに加盟しようとしている国の、一人あたりのGDP(国民総生産)は現加盟国のそれと比較すれば、実に40パーセント程度ということだろう。 当然、EU全体における国民一人あたりのGDPは下がることになる。 (写真は、メモをとる私) |
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彼らにとって大事なことは、欧州全体の政治的安定を確保することである。それは組織犯罪、不法移民、テロ行為などに対する、有効な対処法を手にすることでもあるのだ。 (写真上は、質問をする池本道議。下は、小谷道議。この後、蝦名道議、田村道議も質問をした) もちろん直接的な経済効果も指摘されている。@自国外への直接投資による生産性の向上、A法制度の改革によって、企業が長期戦略を描くための投資環境の創出、Bそれぞれの加盟国の国際競争力の向上、C加盟国間における貿易の拡大などである。 コペンハーゲン理事会(欧州首脳会議)が、欧州連合にひとつの節目をつけたと感じた次第だ。 |
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ヨーロッパ全体の政治的安定をめざし、将来的には政治統合をおこなおうというEU構想の原則は、通貨、法律、外交を統一的に進めようというところにある。しかしデンマークの場合、政府が提案した共通通貨つまりユーロ参加が、国民投票で否決されてしまったのである。 多くのデンマーク人は、すべてがEUに規定されることに危惧をもったのだろう。カーレさんは、「国民は、ユーロに参加することはデンマークがEUの属国になってしまうことを恐れているのかもしれない。だが、EUに参加していながら共通通貨であるユーロが使えない国のままでは、デンマークのこれからの可能性を否定しかねない問題だ」と、実情を語ってくれた。 (2時間という限られた時間であったが、デンマークが抱える課題、EUとしての平和に関する強い思い入れを聞くことが出来た。自衛隊のイラク派兵に見られる日本政府の姿勢をあらためて考えさせられたひと時でもある。最後に全員でカーレさんと) |
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●北欧最後の昼食は待合室のピザだった |
やりきったという満足感を覚えながら、それぞれ帰ってからの活動に思いを馳せた。 (写真のピザは、なかなかの味だった) |
●視察の成果を踏まえて、マニュフェストを発表 |
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