地球温暖化防止条例プロジェクトの足跡 2007/6〜2088/6 HOSHINOTAKASHI

条例のポイント




(1)この条例には四つの主体が登場します

1〈道〉……地球温暖化対策の策定と実施。対策の率先実行
地球温暖化対策推進計画をつくります
  道が実施する対策の基本になるものです。二酸化炭素などの排出抑制や吸収の目標値などを定めます。

地球温暖化対策指針をつくります

  事業者や道民がおこなう対策のガイドラインになります

2〈事業者〉……事業活動に伴う温室効果ガスの排出抑制
二酸化炭素などを大量に排出する事業者を特定します
  その範囲は規則で定めることになりますが、原油換算にして年間1500キロリットル以上の燃料を消費する事業者を想定しています。国の法律でも同様の事業者を「指定管理工場」として特定しています。

事業者は、削減計画書や実績を知事に提出します
  計画書には、自らが排出する二酸化炭素などの量と、削減目標を記載します。また、毎年度、実績報告書も知事に提出します。

知事は提出された計画書を公表します
  国が求めている報告書のように使用燃料の細部は報告の必要が無く、そのため公表しても、同業他社から企業戦略を類推されません。むしろ、温暖化対策をどれだけ頑張ったかをPRする場所にもなります。

目標達成には補完的手段もあります
  道民がおこなった二酸化炭素などの排出抑制分を取得し、自らの抑制分としてカウントできる道を制度上設けてあります。

その他事業者などにも、温暖化防止対策に協力して頂きます
  一定規模以上の建築物を新築、改築しようとする建築主(建築物環境配慮計画の提出)、家電等の量販店事業者(省エネルギー性能情報の表示)、自動車販売業者(地球温暖化防止性能情報の説明)、一定規模以上の駐車場設置者(アイドリングストップの周知)、特定エネルギー供給事業者(計画書提出)などについても、協力をして頂くこととなります。

3〈道民〉……日常生活に伴う温室効果ガスの排出抑制
日常生活を通じ、温暖化防止に努めます 
  物品の購入時に、「環境物品」を選択するよう努めることとします。自動車を運転するときはアイドリングストップなどエコ運転に努めます。

公共交通機関の利用に努めます
  バスや電車など、大量輸送機関の利用に努めます。

4〈観光旅行者〉……滞在中の活動に伴う温室効果ガスの排出抑制
道内滞在において、道民同様に温暖化防止に努めます
  地球温暖化の防止が優れた自然・風土を守り、本道の魅力を向上することに繋がります。そのことは本道の観光資源の価値を高めることにもなりますので、観光客にも協力をお願いする次第です。

〈共通〉
再生可能エネルギーの利用をすすめます
  事業者及び道民は、二酸化炭素などの排出を抑えるため、再生可能エネルギー利用の推進に努めることとします。道は、そのための情報提供を行うこととします。

森林の保全と整備を促進します
  事業者及び道民は、森林の保全と整備を行うとともに、道内産の木材の利用を進めるようにします。

北海道クールアース・デイを定めます
  サミット開会日である7月7日を北海道クールアース・デイと定め、地球温暖化防止に向けた様々な取組を集中的に行うこととします。
冬期、夏期における取組を推進します
  北海道は冬期間の暖房による二酸化炭素などの排出が深刻です。事業者、道民、旅行者は、その活動する場所の室内温度を20度以下に設定するよう努めることとします。
  また夏期においては、早朝の時間帯を活用する取組に努めます。  
地産地消を進めます
  北海道以外の地域からの農林水産物の輸送にかかわる二酸化炭素などの排出を抑えるために、道内で生産された農林水産物の積極的な消費を促進することとします。

(2)温暖化防止に積極的な道民や事業者の取組が社会的に評価されるしくみをつくります

〈報告と公表〉
事業者の努力が社会的に評価されます
  特定事業者は、排出量と削減計画の報告が義務化されます。それぞれの事業者は産業別に設定された自主目標の達成に向け努力をされています。しかし意外とその中身は知られていません。本条例は、努力の結果を公表することにより、社会的にその事業者が評価される仕組みとなります。

特定事業者以外でも、報告することが可能です
  特定事業者以外の比較的小規模な事業者も、自らの排出量と削減計画を提出することができます。その場合、条例にもとづく公表により、大きなPR効果が期待できると考えられます。

報告義務者などが、その義務を怠った場合
  報告をしない、虚偽の表示をしたなどの場合には、知事が勧告をし、理由もなく勧告に従わない事業者はその旨を公表することとします。これは制度の効果を高めるためと、公平さを保つという理由によります。

〈知事による認定と顕彰〉
知事が道民の温暖化防止行動を認定します
  別に規則で定める行動について、道民からの申請に基づき、特に温暖化に寄与するものを、知事が認定します。

道民支援事業を知事が認定します
  道民がおこなう温暖化防止行動を支援する事業に対して、知事がこれを認定します。認定を受けた事業者は、削減計画書にその旨を記載し、企業イメージ向上に役立てることができます。

知事が顕彰します
  知事は、積極的に地球温暖化防止の取組をおこなった事業者や道民を顕彰します。努力規定は、多くの条例に見られますが、その努力に報いようとする制度です。

(3)これまでの経過

  昨年6月に、条例制定に向けた作業を開始しました。以来、道民アンケート(1577件の回収)、北海道環境財団への協力要請(辻井理事長対応)、公開研修会(北大公共政策大学院、吉田文和教授)、先行県(和歌山県、静岡県、長野県)との意見交換、経済団体(道経連、道商連)との意見交換、北電との意見調整、自民党道民連合道議との合同京都府視察、対象予定企業(315件)への意見照会、運輸関係団体(トラック協会、バス協会、ハイヤー協会)との意見交換、知事への意見照会(環境生活部が関係各部の集約)、パブリックコメント、自民党道民会議の環境生活分野提案条例研究会との意見交換会などを行って参りました。


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