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(1)欧州環境首都に初代認定されたストックホルム市役所訪問(23/AM) |
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欧州連合(EU)は、2008年に「欧州環境首都」認定制度を設立しました。その結果、2010年(初年度)の「首都」にスウェーデンのストックホルムを指定しています。その理由は、ストックホルムが実行している様々な政策展開があげられます。まず政策の基本として掲げているのが、2050年までに「カーボンフリー(化石燃料からの全面撤退)」を実現することです。
バイオガス発電を中心とした再生可能エネルギーの導入はよく知られるところです。再生可能エネルギーにより生産された電力の固定価格買い取り制度は、日本でも部分的導入が始まろうとしていますが、先進地区における課題や問題点について担当者に直接伺いたいと思います。
同時に市民生活においても各種取り組みがおこなわれています。交通機関によるCO2排出量を15%削減した「渋滞課金システム」の導入や、先進的な公共交通政策を中心とした環境政策も見過ごせません。
下記の項目を念頭に何点かに絞って調査して参ります。
@スウェーデンにおける地球温暖化対策の基本を聴取(排出権取引の実態と課題など)
A欧州環境首都について、その概要を聴取
B環境裁判所の機能と役割について聴取
C人口密度が低いことから、地域分散型発電が推測されるが、その実態を聴取
D人口密度の高い都市部と、低い地方の取組の違いや特徴について聴取
E地域熱供給システムの実態を聴取
F再生可能エネルギーの内訳で、バイオマス・廃棄物が突出している理由を聴取
G風力の利用が遅れているが、今後の方針を聴取
H固定価格買い取り制度の内容と問題点(種別ごとに価格差はあるのかなど)を聴取
I渋滞課金システムの制度内容聴取
Jポッドカーをはじめとする公共交通政策聴取
K公用車を含めて、カーシェアリングの実態と制度について聴取
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(2)スウェーデン交通局が開発中のポッドカー調査(23/PM) |
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本道は都市間の距離が長いという地域特性から、運輸部門のCO2排出が他県を大きく上まわっています。この部門の取り組みは、25%削減のキーポイントの一つになり得ると考えられます。自動車によるCO2排出抑制を目指すスウェーデン交通局は、次世代カーとしてのポッドカーの技術開発を進めていると聞きます。我が国、とりわけ本道における導入の可能性などについて、ストックホルム市役所と意見交換するとともに、その実際を視察調査してきたいと思います。
@ポッドカーの実際を視察
A公共交通政策の展開により、渋滞緩和されたという交通実態の調査
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(3)完成したハンマビー臨海地区の検証(24/AM) |
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今回の海外調査団「チーム25北海道」のメンバーの内、滝口、池本、星野の三人は2003年に、ハンマビー臨海地区を視察しています。同地区は、2000年から始まった循環型都市づくりプロジェクトです。環境への負荷を従来型都市の半分にすることを目指す各種取り組みは、「カーボンフリー」計画のシンボルとも言えます。2003年当時は、プロジェクトが始まったばかりでした。それが今年完成します。
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2003年当時、急ピッチで進められていたニュータウンプロジェクト。左の写真は、前回視察時に写したもの。 |
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居住する市民と、地区外から働きにくる労働者あわせて3万人規模といわれるプロジェクトを当時と比較し検証してきたいと思います。 |
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環境都市づくりでは、工事手法そのものも環境に配慮されていた。そのあたりも、今回検証してきたい。 |
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省エネルギーシステム、下水処理、廃棄物処理、良質な水管理などの一貫システムは、「ハンマビーモデル」と称され、日本政府においても着目している点です。
90年比25%のCO2削減を実現するためには、是非とも調査しておく必要があるプロジェクトと考えています。
@環境都市づくりプロジェクトの概要聴取
A計画期間において明らかとなった課題と問題点聴取
B市民意識の実態聴取
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(4)放射線安全当局を訪問、高レベル放射性廃棄物処理計画の調査(24/PM) |
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スウェーデンは、原子力発電所から発生した使用済み核燃料を再処理せずに、高レベル廃棄物として地層処分する計画をもっています。2009年6月、国から処理を請け負うSKBという会社がこれまでの調査結果にもとづき、地層処分場の建設予定地として、エストハンマル自治体のフォルスマルクを選定したことを発表。今後、SKB社は環境影響評価及び安全評価書を取りまとめ、それらとともに処分場の立地・建設の申請を2010年末までに行う予定となっています。許可は政府が出すことになっています。この申請に対する法律に基づいた決定が行われると、スウェーデンにおける処分場の建設が正式に決定することとなります。
これらは深地層研究施設を有する本道にとって、極めて関心の高い情報といえます。決定権をもつ政府当局から、これまでの経過、現段階の課題、今後の展望などの諸事情を直接聴取することを通じて、我が国における高レベル放射性廃棄物の深地層処分に対する見識を深めてきたいと思います。
下記の項目を念頭に何点かに絞って調査して参ります。
@研究の現段階と課題聴取
ASKBから提出される建設申請に対する判断の基準を聴取
B再処理しない理由や背景を聴取
C国民意識の推移を聴取
D原子力発電にかかわる政府としての基本姿勢を聴取
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(5)官民の協同によりおこなわれている環境対策の実際を視察(25/PM) |
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NGOの活動は、我が国では始まったばかりです。しかしEUにおいては、NGOの活動を抜きにして、再生可能エネルギー問題は語れないと言われています。今回は行政と非政府組織の連携の実際を調査してきたいと考えています。
行政による政策展開と市民活動家による実践というように、とかく線を引きがちな我が国との比較において、関係者と直接意見交換をすることにより見識を深めてきたいと思います。
@官民協同の基本的考え方を聴取
A現段階で抱えている課題を聴取
B将来に向けた取り組み方針を聴取
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(6)欧州(EU)環境庁訪問と意見交換(26/AM) |
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アメリカや我が国では今、スマートグリッドシステムの開発が進められています。地域内に通信(電力)網を巡らすシステムです。個別家庭のコンセントから地域発電所までをネットワークします。例えば電気自動車を家庭のコンセントにつないでおけば、通常は充電ですが、夜間など他の場所で電力が必要になった場合、その車が電力供給施設の代わりをします。電力の需給が自動的にコントロールされるシステムです。
欧州では、これをさらにすすめ、スーパーグリッドシステムが開発されつつあると聞きます。地域のネットワークにとどまることなく、EUを構成する国と国をネットワークしようというものです。こうした発想こそが「カーボンフリー(化石燃料からの全面撤退)」という構想を支えているのでしょう。
スーパーグリッドシステムをはじめ、世界の再生可能エネルギー政策を先導するEUの環境政策に直接触れる機会は、そう多くありません。
私たちは今回、欧州(EU)環境庁とのコンタクトに成功しました。もちろん制度も地域特性も違う国同士ですから、欧州の環境政策を直接日本に持ち込むことは不可能でしょう。だが、そこに我が国が目指す25%削減のヒントがあることは間違いありません。スウェーデンやデンマークにおける再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度の実態は、それぞれの市役所などでもヒアリングできるでしょうが、欧州全体の実態については、欧州環境庁でしか調査することができません。
@EUを構成する各国の取り組み現状を聴取
A固定価格買い取り制度に対する各国の考え方を聴取
Bスーパーグリッドシステムの概要を聴取
CUとしての地球温暖化対策の基本を聴取
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(7)コペンハーゲン市議会訪問とヒアリング(26/PM) |
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デンマークにある風力発電機を真っ白い紙の上にプロットすると、国土の形が浮かび上がると言われています。地上ではもう建設する場所も限られており、今後は洋上への進出の時代になるというわけです。
我が国では、低周波問題や、落雷、渡り鳥被害などマイナス面も指摘される風力発電ですが、世界の潮流は今確実に風力発電に向かっています。
風力発電のシンボリックな存在であるデンマークの首都コペンハーゲン市議会から得られる情報は限りないと考えています。
例えば、「カーボン・ゼロ」どころか、「カーボン・マイナス(島内の電力をすべて再生可能エネルギーとしただけでなく、余剰電力を他の地域へ送電している)」を実現したデンマークの小島における自然エネルギー政策などは極めて興味深いものがあります。
下記の項目を念頭に何点かに絞って調査して参ります。
@デンマークにおける地球温暖化対策の基本を聴取
A地方都市が風力発電機を設置した場合、税制上の優遇措置などの有無について聴取
B原子力発電を選択していない理由と背景を聴取
Cエネルギー強度(※)はEU中、もっとも低いが、省エネの特徴的な取り組みを聴取
D省エネ促進において、事業者(CO2排出者)の考え方をどう反映したかを聴取
Eカーボンマイナスを実現した○○島の取り組み概要を聴取
※国内のエネルギー総消費量をGDPで除したものであり、経済のエネルギー効率を表す |