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新幹線委員会九州視察  2005.1/26

いよいよ北海道新幹線も、新年度から着工となる。
新幹線委員会として、もっとも最近完成した
九州新幹線の実際を視察することで
今後の課題を整理することとなった。

カメラのレンズが汚れていたため、
写真が不鮮明です。ご了承頂きたい。

民主党北海道の幹事長として、
道内の課題と中央のテーマを付き合わせるため、
全行程には参加できなかった。
残念だが仕方ない。


      熊本県・鹿児島県

道内は大雪だというのに、熊本空港はなんと、雨だった。

私は党の仕事があったので、視察団とは途中から合流。鉄建公団の話は聞くことが出来なかったが、明日からの熊本及び鹿児島に去年開業した九州新幹線を、駅舎構造を含めてじっくり見てきたい。

環境に配慮した輸送機関と言うことで、路面電車が全国的に注目されている。

熊本でも市民の足となっているが、違法駐車などで運行の定時制がはかれず、客離れも進んでいる。
街の財産として、市民全体で守りたいものだ。

鹿児島本線と半分まで完成した新幹線をジョイントするために、「新八代(やつしろ)駅」が造られた。右のホームが新幹線、左が在来線だ。
鹿児島から来た客はここで、乗り換え福岡方面に行く。乗り換え所要時間は3分。

川村委員長と。

九州新幹線「つばめ」と、在来線特急「リレーつばめ」のホームを示す標識。
だが、乗り換えのためにつくられた駅ということから、この改札を出入りする客は、今のところ極めて少ないようだ。

北側の残り半分が出来るまでには、新幹線の始終発駅として、街があらたに形成されていくことだろう。

実は八代は、歌手の八代亜紀さんの出身地。
自ら描いた絵が贈られていた。

なかなかのものですよ。

駅周辺は、田圃と空き地だらけ。
東海道新幹線の新横浜駅も、かつて同じ状態だった。

北海道新幹線の新函館駅も、今の大野駅が改築されて出来るわけだが、似たような光景である。

はじめから既製品を用意するのではなく、街とともに成長していく駅周辺づくりをすすめたいものだ。


駅は街の顔になる。今のところは、草原に突然出現した近代建物のようで、少なからぬ違和感がある。

かつて鹿児島からここまで、特急で2時間かかっていた。それが今では30分。大動脈の拠点の一つとなる八代駅は、将来を見つめている。

九州山脈を貫く九州新幹線は、そのほとんどがトンネルだ。こうした事情も北海道新幹線と類似している。

課題は、着工の条件である併行在来線の経営分離(第三セクター移管)決定だ。北海道の場合、江差線の五稜郭から木古内までが対象となる。利用者の足をいかに守っていくか、着工決定に浮かれてばかりはいられない。
写真は、鎌田委員。

経済効果は輸送のスピードアップだけではない。県外の観光客に地域をアピールすることも忘れてはいない。

客席窓のブラインドもイ草を使ったものだ。

快適性についても、さまざまな配慮が施されている。これまで新幹線座席は通路を挟んで3列と2列の5列だった。

これをそれぞれ2列にし、前後の感覚もかなり広い。車内には最近の内装では珍しく、地元の木材がふんだんに使われている。これも地産地消の例だろう。

九州新幹線の特徴の一つに、車両のパワーアップがある。これまでの車両に比べて、勾配を登る力が強いのだ。従って将来、九州から西日本へは乗り入れられても、その逆は不可能となる。

札幌で座席につき、目が覚めたら鹿児島だったというまでには、まだまだハードルがいくつもありそうだ。
マスクをしているのは、作井委員。

鹿児島からきた新幹線は、ここ八代まで。あとは在来特急が引き継ぐ。線路の遙か彼方にある福岡まで、早期の全線開業を求める声は強い。

函館までの着工が決まった北海道新幹線。次の課題は、札幌までの延伸である。道都札幌と鹿児島が鉄路で結ばれる日は、必ずくる。

私たちは、八代駅から乗車、途中、車両基地のある川内(せんだい)駅で下車した。
乗車率はかなり高い。
旅行会社も「新幹線に乗ろうキャンペーン」を展開している。官民をあげて新幹線効果を高めようとの努力が見られる。

川内は昨年、九州で発の市町村合併により、「薩摩川内」となった。7万から10万都市に。合併と新幹線、地域の期待を肌で感じる。

似合わないヘルメットをつけての車両基地視察。
大量輸送機関にとって安全の確保は生命線だ。隔日検査、走行距離に応じた、検査(3万キロ、60万キロ、120万キロ)と、余念がない。

私は、札幌市営地下鉄の車両基地を何度も訪れているが、安全に対する現場の緊張感は全国どこでも共通だ。

左が私。中央の女性は函館選出の平出委員。

総重量260トンの車両が、時速260キロで走行する。安全確保のためには、車両点検だけではなく、レールや軌道のチェックも毎日、営業運転後徹夜で実施される。

責任者の説明を聞く大崎委員。

「北海道に新幹線を」〜誘致運動は党派を超え、オール北海道として展開されてきた。
私は民主党道連の幹事長をつとめているが、右は自民党道連の幹事長・清水委員。

折に触れて政策論争をするが、北海道にとって必要なことについては、共に連携することも求められている。

九州新幹線は開業から3年未満なので、国の委託教習施設はない。そのため、乗務員は本州に長期教習に出向くこととなる。
こうした苦労に支えられて新幹線は成り立っていることも忘れてはいけない。

私事になるが、私は甲種電気車運転操縦免許を持っている。JR在来線はもとより、転換教習を受ければ、この車両も操縦できる。ま、あまり現実的な話ではない。

北海道新幹線の具体的課題は多い。基本的には八代駅をベースにした、ホームトゥホーム(ホームをはさんで乗り継ぐ)方式が採用されるだろうが、正式に決まったわけではない。
一つひとつの課題解決はこれからだ。

「ついに地元に新幹線がやってくる」〜10年後に想いを馳せる函館選出の斉藤委員。

日本最南端の新幹線駅、鹿児島中央駅は昨年3月完成した。
駅ビルには、街の中心となる駅前広場整備とともに、シンボルとしての観覧車もつくられた。ひとつのアイデアだろう。
周辺環境とマッチした広場が、市民参加のもと、さらに成長していくことを期待したい。

撮影したはずの写真データが欠損していて、全景をお見せできないのが残念だ。



議会事務局・執行部の随行者を含めて全員でカメラに収まった。

視察成果をどう生かせるか、今後の議会活動に負うところが多い。


文中で紹介できなかった角谷委員、中村委員、布川委員も写っている。