視察2日目。バスの中で概要を説明する釧路市長の前川部長。炭鉱閉山後の釧路は、官民で地域活性化に向けて多くの努力がなされている。 |
昼食に出た鹿肉、鯨肉を使ったどんぶり。946円。ダチョウの刺身は800円。評価はさまざまだった。 |
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ダチョウ・エゾシカ飼育・処理等 |
(有)阿寒オーストリッチ
地域資源活用センター
釧路市阿寒町布伏内工業団地内
Tel.0154-69-3000
「産炭地基金」を活用して、新たな事業(ダチョウの飼育・製品販売、エゾシカの解体・製品販売など)を実施している企業の状況を視察。 |
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後で出てくる自動車リサイクル事業とならんで、産炭地振興という観点から設立された新事業。建設業のソフトランディングとして、関係者が事業の可能性について検討を加えてきた結果設立された。
飼育と解体を事業として展開しているのは、山形、岐阜に続いて三カ所目である。 |
道内のダチョウ農家から依託されて解体をしているが、独自に飼育も。写真は肉用ではなく、卵を産むために飼育されている親のダチョウ。かなり大きい。 |
ちょうど解体作業が始まったところだった。見た目は鶏の解体と似ているが、大きい分、作業も大がかりだ。鹿肉の販売とならんで、地域活性化の一つとして期待が寄せられている。 |
ここでも、安全管理は重要なポイントだ。施設内に入る前に、足裏を消毒する。 |
ダチョウの肉は脂肪分と肉の部分がはっきりと分離しているという特徴がある。皮のすぐしたの皮下脂肪をとりのぞいてしまえば、脂分はなくなってしまう。
健康食としても、注目を集めそうだ。 |
皮も大切な資源だ。着色をされ高級品として生まれ変わる。加工産業として定着すれば、高い付加価値が約束されるだろう。 |
真ん中の黄色い製品は、道内のパークゴルフ場から依頼され作成したもの。スコアカードホルダー。かなり高価なものだろうが、試作品として様々なことが試みられている。 |
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バイオガスプラント |
(有)仁成ファーム
釧路市新野129
Tel.0154-60-8172
家畜糞尿を活用したバイオガス発電の事業内容及び、施設について視察。
平成13年3月稼動。電力は牛舎などの施設内利用が主。平成19年、第2牧場にプラント建設。 |
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北海道の広大な酪農地帯から出る家畜糞尿は、放置すれば環境破壊につながってしまう。しかしこれは同時にエネルギーの宝庫ともいえるものだ。
ヨーロッパなどではかなり実用化されているが、道内でも様々な取り組みが始まった。その実際を見てきた。
写真は右は、議会事務局として視察に同行した辻主査。 |
北海道の酪農を象徴する乳牛。食の安全が大きな関心を集める中、昔のイメージとは大分違って、清潔な環境の中で飼育されいてる。 |
ひしめく乳牛たちが、直径数十メートルのサークル状になった施設で整然と搾乳を受けている。
サークルはゆっくりと回転しており、一周すると自ら牛舎に帰っていく。なかなか見事なつくりだ。 |
搾乳のための装置をはじめ、空調など、施設規模が大きいだけにけっこうな電力を消費している。
その電力を牛の糞尿をエネルギーとしてつくる発想は、理にかなっている。 |
奥に見えるのが発酵施設。牛舎から地下に埋設されたパイプを通り運び込まれた糞尿は40度に温度管理されメタン発酵される。そのメタンを補足して、脱硫した後、発電機に送られ電気が作られる。 |
ドイツ製のガス発電機。それほど大型ではないが、一時間あたり100キロワットの電力が生み出され、施設内で消費されている。
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視察団に説明をするファームの菊池利治専務。まだ若いが意欲的な経営者だ。
施設全体で2億5千万円かかっているが、国の補助が50パーセント入っている。意外なのは、経産省のエネルギー関連予算ではなく、あくまでも農水省の補助ということだ。
もう少し詳しく経緯を調べてみたい。 |
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自動車リサイクル |
釧路オートリサイクル(株)
釧路市新野24番地1084
Tel.0154-57-3718
「産炭地基金」を活用して、新たな事業(自動車リサイクル)を実施している企業の状況を視察。
釧路市は平成14年に「釧路産業クラスター創造研究会」のもとで、官民一体となって事業化の可能性を検討してきた。平成16年5月、釧路コールマイン(株)などの出資で同社を設立。 |
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太平洋炭鉱が閉山になったあと、地域の雇用を創り出すための新産業を起こすために、様々な努力が払われた。
既存の解体業を圧迫することなく、自動車リサイクルを展開している当社は順調に実績をあげつつある。
現場視察の前に、概要の説明を受ける視察団。 |
自動車リサイクル法が施行されてから、車のリサイクル率は急速にあがった。 |
解体にあたり、はじめにエアーバックが処理される。電気コードを使って、遠隔でバックを開くのだが、すさまじい音がする。
写真はエアーバックの圧力でフロントガラスにヒビが入ったところ。初めて見る光景に、全員息を飲む。 |
パーツはひとつづつ手作業ではずされていく。まだまだ使える部品は山のように出てくる。丁寧に洗浄していくと、新品とはいかなくても、それに近い形でリユースの出番を待つこととなる。 |
当社だけで1万点を超える部品が確保されている。全国の同業者でつくるネットワークにより、欲しいものはだいたい手に入ることとなる。最近では個人からの問い合わせや購入も増えてきた。
およそ150万点のパーツがコンピュータで在庫管理されている。 |
キャップ型のヘルメットをかぶり、実際に車が解体されていく工程を視察するメンバー。エンジンや座席がはずされ、製鉄所に回される鉄の固まりになるまで、なんと20分ほどしかかからない。
熟練した技術と、吉川方式と呼ばれるライン解体の結果だ。吉川工業という自動車リサイクル会社は北九州にあり、以前環境生活委員会でその実際を見てきたことがある。「こうした工場が北海道にもできたらなぁ」と当時思ったが、それが釧路の地で実践されていたわけだ。 |