HOSHINOTAKASHI


世界のNAOKO


 日本の高橋が、世界のNAOKOになった。「世界の頂点」〜見事の一言に尽きる。ゴール直後に、ペロッと下を出す愛嬌と、「42キロを楽しんで走れた」と言う、自信と余裕。スポーツ界は、確実に新時代に入ったのだろう。「巨人の星」に象徴される、スポ根の時代は、遠のいて感じる。ただし、有森が言うように、「根拠のない自信ではなく、背後に秘められた限りない努力に支えられた自信」であることは言うまでもない。
 新時代と言えば、高橋は28歳。おそらく、1972年生まれだ。この年、日本は、そして世界は揺れた。沖縄の施政権が、日本に変換された年だ。アメリカの世界軍事戦略における要衝として、ベトナム戦争の最前線を担ってきたのが、沖縄であった。
 世界のNAOKOは、戦後世界のひとつの節目である沖縄返還の年に、生まれたのだ。

 スポーツ新時代を担う彼女たち。
どんなに、過酷な練習をこなしたとしても、そのこと自体を楽しみ、金メダルに変えてしまう。

 サミット出席など、パフォーマンスに明け暮れる政治は、もう限界である。表舞台の背後にあるべき、過酷ともいえる政治改革の道のりを、楽しみながら実践できてこそ、政治の新時代を迎えることが出来るのだろう。

 さて、その担い手は、いったい誰になるのか。

HOSHINOTAKASHI