HOSHINOTAKASHI


公共事業と蜘蛛の糸


 
二階の軒と、ひばの木の間の、蜘蛛の巣。新しい発見をした。のびてきた糸が軒から5センチほどのところで何本かに枝分かれしており、それがさらに分かれる、最終的に軒とは、8カ所くらいがつながっているのである。強度を高めるためかと思ったが、すぐに、そうでないことが判った。ひとつひとつ切り離していっても、巣そのものは、微動だにしない。最後の一カ所で十分な強度を保っている。つまり、「災害」に対する用心なのだろう。

  網走管内の「地域道政懇話会」(画像あり)に行って来た。来年度の道予算に地域の声を反映させるため、毎年各地で実施している行事の一環だ。
  管内の26市町村長さんたちは、異口同音に、「公共事業はまだまだ必要」と、具体的な箇所名と理由を示しながら、主張されていた。また、ある町長さんは、「民主党は公共事業を減らすと言っているが、それでは困る。都市は地方によって支えられていることをもっと理解して欲しい」と、切実である。

  どうも誤解があるようだ。私は、公共事業そのものを否定しているわけではない。
  広い北海道、地域間格差を解消するための道路整備をはじめ、本州に比べて極端に遅れている社会基盤整備はしっかりと進めなければならない。問題にしているのは、そういった公共事業ではない。

  自民党は、景気対策と言いながら、公共事業の名を借りて、税金を全国にばらまいてきた。税金を投入すること自体が目的だから、その事業が必要か、優先的に行われなければならないか、などは、二の次、三の次なのである。その結果、土木中心の大手ゼネコンは潤ったかもしれないが、これといった景気浮揚策につながらなかった。地元自治体にしても、公共事業には地元負担金が伴うわけだから、決して楽ではない。
  そういう公共事業は、見直さなければならない。厳しい財政事情なのだから、大切な税金をどう使うかを、しっかり再評価しようと、言っているのだ。

  蜘蛛は設計図をつくらない。しかし本能で、何が必要で何が必要でないかを、しっかり理解している。知能豊かな人間としては、蜘蛛に負けるわけにはいかない。

HOSHINOTAKASHI