|
一列の北キツネ |
|
二十六年前、私は初めて千歳空港に降り立った。もちろん、誰一人知る人はいない。そんな星野が、今日、本当にたくさんの人たちと付き合わせてもらっている―それを人脈と呼べるなら、その人脈は、およそ10年に及ぶ地区労・平和運動センター時代に、その多くが出来上がったものと思う。
今回、時代の流れの中で平和運動センターが解散する。
地区労・平和運動センター時代を通じて、私は四人の「ボス」に仕えてきた。孤高の責任者タイプでありながら、時折、肩越しに私のノートにアドバイスをしてくれた故越智喜代秋さん。底知れぬ人脈を持ちつつ、アトリエで北キツネの子どもを一列に並ばせて餌付けを楽しむ重野広志さん。トップ自らが範を示すと同時に、場末の飲み屋で職員との議論を好む大西彰さん。「決めたことはやれ。やれないことは決めるな」を口癖としつつ、やんちゃな側面を持つ渡部東司さん。それぞれが希な指導者である。
事務局長にも恵まれてきた。細部に気が廻る堀川輝男さん。人なつっこいがドライで判断の速い清本五郎さん。水面下の作業が重要であることを教えてくれた糸瀬哲朗さん。従来手法にとらわれない浜田強志さん。そして、すべてを見渡し大胆な結論をだす大長治興さん。
専従役員以外にもいろんな人にお世話になった。例えば、新人候補発掘作業で、連日市内を走り回り、「候補とは何か」「選挙とは何か」を教えてくれた中沢邦彦さんとの仕事が、私の平和運動センター最後の仕事となった。国政選挙や市長選挙を通じて、その楽しさを教えてくれた峯後樹雄さん、清水史朗さん、故北川久夫さん、奥原義弘さん、渡辺幸一さん、伊藤正義さん、佐藤富夫さん、新関紘一朗さん、石橋文雄さん……。
想いで多いたくさんの人々と仕事ができたことを、無情の喜びとしながら、その中で学んできた地区労・平和運動センター魂をこれからも育み続けたい。 |
|